百日咳は、百日咳菌による感染症で、名前の通り激しい咳が続く病気です。子どもだけでなく大人もかかることがあり、新生児など乳児にうつると命にかかわることがあります。
百日咳ワクチンは、定期接種の対象となっている「四種混合ワクチン」に含まれており、生後3か月目から、4週程度の間隔で3回、それから1年空けて4回目を接種することになっています。
しかし、その後は定期接種としてのワクチン接種の機会が無く、免疫が低下する学童期の子どもをはじめ、大人にも流行することがあります。
当クリニックでは、定期接種以降も百日咳ワクチンを含む「三種混合ワクチン」の接種をおすすめしています。
おすすめする理由
・6か月未満の新生児~乳児での百日咳は命にかかわりうる!
・学童期~成人では百日咳への抗体が低下している!
・5~6歳、11~12歳での百日咳が含まれるワクチン(三種混合ワクチン)接種で免疫をつけよう!(任意接種)
ワクチンの接種について
〇従来の定期接種とおすすめする接種のスケジュール例
参考 混合ワクチンの種類について
四種混合…百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ
三種混合…百日咳・ジフテリア・破傷風
二種混合…ジフテリア・破傷風
接種スケジュールについて
〇標準的な定期接種スケジュール
・四種混合ワクチンを生後3か月~12か月の間に3回、追加として1歳~2歳の間に1回
・二種混合ワクチンを11歳~12歳に接種
↓
〇従来のスケジュールでは、3歳以上で百日咳を含むワクチンの接種機会がありません。
・百日咳発症予防に必要とされるレベルの抗体を持つ5歳児は20%にまで低下するといわれています(※1)。
・百日咳感染者で最も多いのは5~15歳の子どもで、そのうちの約80%が4回の百日咳を含むワクチンを接種しているともいわれています(※2)。
・生後6か月未満の乳児の百日咳感染は、兄弟姉妹・親からの経路が最も多く、呼吸不全など命に関わることがあります(※2)。
◎当クリニックでは、5~6歳と11~12歳に百日咳を含むワクチンの接種をおすすめしています。
・周りにいる学童期~成人が予防接種を受けることで、重症化しやすい新生児~乳児を守ることが大切です。
・日本小児科学会(※3)や日本プライマリ・ケア連合学会(※2)では、以下の対象者への三種混合ワクチン接種を推奨しています。
・ 当クリニックでは、承認されている三種混合ワクチン(トリビック®)の任意接種が可能です。
・ 料金は、接種1回につき、8,800円(税込み)です。
・ 三種混合ワクチンを11~12歳で任意接種された場合、市町村から案内されている二種混合ワクチンの接種は必要なくなりますので、ご注意ください。
接種は予約制となっておりますので、下記電話番号へ事前にご連絡ください。
ワクチンを準備する関係で、翌週以降の接種となりますのでご了承ください。
電話番号 0538-85-1340
※健康被害救済制度
一般的に予防接種を受けた後には副反応が出ることがあり、まれに健康被害が生じることがあります。
万が一、健康被害が生じた場合の救済については、健康被害を受けた方またはご家族が、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ申請の手続きを行うことになります。
<参考文献>
(※1)百日せきワクチン ファクトシート.2017年2月10日.国立感染症研究所.
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka- Kouseikagakuka/0000184910.pdf
(※2)こどもとおとなのワクチンサイト.百日咳について.2021年12月22日参照.
https://www.vaccine4all.jp/topics_I-detail.php?tid=45
(※3)日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールの変更点(2021年3月24日版)
http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf
- POSTED at 2022年03月02日 (水)