果物が美味しい季節ですね。
「1日1個のりんごは医者を遠ざける」
ということわざをご存知ですか?
イギリスでは、昔からりんごは健康に良いと言われています。
今回は、りんごについて調べてみましたのでお読みください。
日本では1年間に約75 万トン生産されているようです。
青森県・長野県で全体の8割生産されています。
栽培されている品種は約2000種あり、「ふじ」が最も多く、「王林」「つがる」「ジョナゴールド」などの品種で全体の約8割を占めているようです。
りんごは食物繊維やペクチンが豊富であるため、それによる脂質代謝への影響・整腸作用、
また、りんごポリフェノールによる脂肪蓄積阻害・血糖値上昇抑制・コレステロール代謝制御等があるため生活習慣病予防に有効であると言われています。
1日1個のりんご(300 g)を食べると300∼600 mgのポリフェノールを摂取することができます。
弘前市岩木地区1000人の健康調査において、
りんご摂取頻度と生活習慣病との関係を検討したデータがあります。
「摂取カロリー中に占める脂質割合が30 %以下」や
「摂取カロリーが推定必要量以下」の
食習慣が健全な住民では、りんご摂取によって65歳以上男性の動脈硬化度や収縮期血圧、
65歳未満女性の血糖値やHbA1c が有意に低値を示していたようです(p<0.05)
りんごに特徴的な成分のフロリジンという物質を改良して糖尿病の治療薬(SGLT2阻害薬)として使用されていることも驚きでした。
もし、りんごを食べた時に口腔内のイガイガ感、掻痒感、水疱などが出る場合はアレルギー反応だと思われますので注意が必要です。
最後に、りんごだけでなく、果物の摂取が健康維持、脳血管疾患や心疾患などの予防に効果があることが疫学研究で示されています。
果実の疾病予防機構の一つとして、果実に含まれるポリフェノールの抗酸化作用によると考えられており、生体内の酸化ストレスが心疾患やガン・アルツハイマー病などの神経疾患など多くの慢性疾患に関与していると考えられているようです。
http://www.maff.go.jp/tohoku/seisan/kazyu/attach/attach/pdf/fruits_seminar30_gaiyou-2.pdf
Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi, 63(1), 57-61, 2016リンゴポリフェノールの健康機能性とその活用 庄司俊彦
(医師:H)